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新訂版 クイックマスター微生物学
新訂版 クイックマスター微生物学
著者名 著者 西條 政幸(国立感染症研究所ウイルス第一部部長)
発行年月日 2015年3月5日
判・頁数 B5判 344頁
ISBN 9784907176310
定価(10%税込) 定価 2,970円(10%税込)
在庫 在庫あり 
書籍概要
現在は、医療にかかわるものにとって、世界規模の感染症から日常にみられる通常の感染症まで、多岐にわたる感染症対策が求められる時代である。本書は学習のポイントと看護の要点が、わかりやすく解説してある。
書籍目次詳細
目次 巻頭カラー「写真で見る微生物学 」 第1部 微生物と微生物学 第1章 微生物学のあゆみ 1. 微生物とは 2. 微生物学とは 3. 微生物の発見 4. 病原細菌、ウイルスの発見 5. 免疫学の始まり 6. 消毒法、抗菌薬の発見 7. 医科微生物学の発展 第2章 細菌学 1. 細菌の形態と構造 2. 細菌の増殖 44 3. 細菌の代謝 48 4. 細菌の遺伝 50 5. 細菌の病原性 53 6. 細菌の分類 58 第3章 真菌学 1. 真菌の生態 2. 真菌の形態と構造 3. 真菌の発育・増殖 4. 真菌の栄養と代謝 5. 真菌の分類と病原性 第4章 原虫学 1. 原虫の特徴 2. 原虫の種類と病原性 第5章 ウイルス学 1. ウイルスの特徴 2. ウイルスの形態と構造 3. ウイルスの増殖 4. ウイルスの遺伝 5. ウイルスの分類 6. ウイルスの病原性 第・部 感染と感染症 第6章 感染 1. 感染の成立 2. 感染後の経過 3. 感染源と感染経路 4. 病原因子と感染防御機構 第7章 免疫学 1. 免疫とは何か 2. 免疫担当細胞 3. 抗体と補体 4. サイトカイン 5. 免疫応答 6. アレルギー 第8章 感染症 1. 感染症のいま 2. 感染症対策 3. 感染予防 4. 感染症の診断 5. 感染症の治療 第・部 病原微生物と感染症 第9章 主な病原細菌と細菌感染症 1. グラム陽性球菌 2. グラム陰性好気性桿菌および球菌 3. グラム陰性通性嫌気性桿菌 4. グラム陰性嫌気性桿菌および球菌 5. グラム陽性桿菌 6. らせん菌 7. 放線菌と関連細菌 8. マイコプラズマ、リケッチア、クラミジア 第10章 主な病原真菌と真菌感染症 1. 表在性真菌症を起こす真菌 2. 深部皮膚真菌症を起こす真菌 3. 深在性真菌症を起こす真菌 4. 輸入真菌症の病原菌 第11章 主な病原原虫と原虫感染症 1. 腸管寄生性原虫類 2. 性・泌尿器寄生性原虫類 3. 血液・組織寄生性原虫類 第12章 主な病原ウイルスとウイルス感染症 1. DNAウイルス 2. RNAウイルス 3. 肝炎ウイルス 第13章 プリオンとプリオン病 1. プリオンとプリオン病

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序文・はじめに・あとがき 等
巻頭言 2009年は、A型インフルエンザウイルスH1N1(2009年パンデミックウイルス)によるインフルエンザのパンデミックが発生し、感染症対策の重要性が再確認された年である。2003年にはそれまで知られていなかったSARSコロナウイルスによる重症急性呼吸器症候群の世界的流行が発生した。感染症対策にかかわる者の1人として、各感染症の性状を理解し、対策を立てることの重要性を改めて認識させられた。 新たに出現した病原体による感染症の世界的流行だけでなく、日常の生活のなかで認められる感染症の対策の重要性も高まることはあっても、低下することはけっしてない。たとえば、医療にかかわる感染症(抗菌薬耐性菌による感染症、院内感染症)や臓器移植を受けている患者の感染症の対策は、これまでも、そして、これからもその重要は変わることはない。医療にかかわる者(医師、看護師、コメディカル)は、患者の治療に専念する訳であるが、その際には患者から他の患者への、患者からの自らへの感染予防も同時に要求される。 現在は、医療にかかわる者にとって、世界規模の感染症から日常みられる通常の感染症まで、多岐にわたる感染症対策が求められる時代である。これらの感染症は、プリオン、ウイルス、細菌、真菌、原虫と多くの種類の病原体によって引き起されている。つまり、医療にかかわる者にとっては、微生物学(感染症)に関する多くの知識が要求される時代でもある。今年、1995年に致死率のきわめて高いエボラ出血熱が流行した、コンゴ民主共和国のキクイット市を訪問する機会を得た。エボラ出血熱の流行の舞台となったキクイット総合病院関係者とのインタビューを通じて、もし、医療関係者にそれ相応の知識があれば、犠牲者の数はより少ないものとなっていたものと思え、知識の重要性を再確認した。 読者にとってより理解しやすいように文章を心がけ、抗菌薬や抗ウイルス薬の作用機序を含む治療、診断、予防に関する解説を多く記述した。「微生物学」と題する医療関係者向けの教科書ではあるが、「感染症学」としての教科書となりうる内容を含んでいる。微生物学や感染症学を学ぶ多くの方々に使用していただきたい教科書である。 初版のときから参考となる写真を提供してくださった先生、初版の監修者の牛島廣治先生に感謝申し上げる。 2015年2月 西條 政幸

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