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経腸栄養 ‐管理プランとリスクマネジメント‐
経腸栄養 ‐管理プランとリスクマネジメント‐
著者名 編著 吉田 貞夫(沖縄メディカル病院 あがりはまクリニック院長)
発行年月日 2015年4月28日
判・頁数 B5判 256頁
ISBN 9784907176334
定価(10%税込) 定価 3,300円(10%税込)
在庫 在庫あり 
書籍概要
経鼻栄養チューブや胃瘻・腸瘻の管理が安全・安楽に行われることを目的に、経鼻栄養チューブや胃瘻・腸瘻で起こりがちなインシデントや合併症をあげ、その原因や機序、予防法・対応法を解説し、それぞれの項目においてわかりやすい事例を紹介。また、特別企画として誌上シンポジウム『食べるための胃瘻』では第一線で活躍する実践者が議論を交わす。看護師、管理栄養士など、経腸栄養の管理者必読の書。
書籍目次詳細
(目次) 誌上シンポジウム 食べるための胃瘻──これからの現場でその意義は? 007 座長あいさつ/吉田貞夫 009 患者の状態や病態に応じた最良の栄養管理の提供に用いるべき/東口髙志 010 食べるためには、管理栄養士の介入による咽頭の筋肉や意識レベルの回復が必須/足立香代子 011 生のあり方や死の概念を覆す大問題。国民的なコンセンサスが必要/鈴木裕 012 「胃瘻あればこその社会復帰」という成功体験を伝えていきたい/小川滋彦 014 「延命」という医療拒否に誘導されやすい用語を用いるべきではない/今里真 015 完全経口摂取までのプロセスとしてPEGは「食べるためのお守り」/嶋津さゆり 016 脳卒中における胃瘻の適応についてあらためて考えてみるべき/高畠英昭 017 偏った知識のみで胃瘻造設の意思決定がされないよう配慮するべき/浅田美江 part 1 経鼻栄養チューブの安全確保と合併症のリスク 020 チューブの誤挿入/岩﨑日香 026 チューブの抜去/中川ひろみ・實方由美 030 チューブ周囲の皮膚障害/中川ひろみ・實方由美 036 回復期リハビリテーション病棟における間欠的経管栄養/猪川まゆみ part 2 胃瘻・腸瘻の安全確保と合併症のリスク 040 チューブ閉塞/増田修三 047 簡易懸濁法によるチューブの閉塞防止/岸本真・倉田なおみ 052 バンパー埋没症候群/伊東徹 058 バルンによる十二指腸閉鎖/今里真 061 バンパー埋没症候群とバルンによる十二指腸閉塞/倉敏郎 062 カテーテル周囲からの栄養剤の漏れ/蟹江治郎 069 カテーテル周囲の肉芽・皮膚障害/倉敏郎 074 カテーテルの事故抜去/小川滋彦 078 カテーテルの誤接続/伊東徹 082 カテーテル抜去後の瘻孔閉鎖不全/犬飼道雄 086 瘻孔対側の胃潰瘍/倉敏郎 088 小児の胃瘻とミキサー食/高増哲也 part 3 病態別 経腸栄養管理プラン 096 糖尿病/吉田貞夫 101 腎不全/宮澤靖 109 慢性閉塞性肺疾患(COPD)/安田広樹 112 人工呼吸器管理/安田広樹 116 肝臓病/近藤匡 123 認知症/吉田貞夫 128 脳血管障害/西岡心大 137 褥瘡/大村健二 144 悪性腫瘍/荒金英樹 153 水分制限が必要な疾患(心不全/腎不全/SIADH)/下田靜 part 4 症状・状況別 経腸栄養管理プラン 162 胃食道逆流・嘔吐と誤嚥性肺炎/今里真 168 下痢/布施順子 177 便秘/奥田由美・吉田貞夫 184 高血糖・低血糖・後期ダンピング症候群/吉田貞夫 190 低栄養の栄養アセスメントと栄養療法開始前のリスク/岡本康子 200 サルコペニア・サルコペニア肥満・カヘキシア/吉村由梨 206 尿素窒素の上昇/吉田貞夫 209 低ナトリウム血症/吉田貞夫 217 微量元素欠乏/湧上聖 224 ICUにおける経腸栄養管理プラン/齊藤大蔵・宮澤靖 230 水分管理プラン/城間かおり・吉田貞夫 240 在宅における経腸栄養管理プラン/岡田晋吾 038 略語一覧 247 さくいん

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序文・はじめに・あとがき 等
はじめに  経腸栄養は、静脈栄養に比べより生理的な栄養摂取法であるといわれており、米国静脈経腸栄養学会(ASPEN)のガイドラインにも、「腸が使えるときは、腸を使え“If the gut works, use it”」と唱われている。  日本において、経腸栄養の普及が進んだもう1つの理由は、急速な高齢化の進行である。日本は、すでに超高齢社会に突入している。それに伴い、脳血管障害などにより経口摂取が困難となった症例も増加している。経口摂取が困難となった症例では、栄養状態を維持するために、胃瘻や経鼻胃管などを通じた経腸栄養が行われてきた。  このように、経腸栄養を行う症例が増加すると、当然、それに関連する合併症が問題として取り上げられるようになる。経腸栄養を安全に継続するためには、起こりうる可能性のある合併症とその対策を十分把握しておくことが重要である。  このたび、サイオ出版より、経腸栄養の管理プランとリスクマネジメントに関する書籍の編集の依頼を受け、その作業に参加させていただくことになった。しかしながら、この分野では、すでに多くの諸先輩の先生がたが書籍を出版されており、そこに同じようなものを連ねるのでは、書籍を購入いただく読者にとってあまりにメリットがない。  そこで、せっかくの機会をいただいたのであるから、いままで出版されたものとは違う視点を加えたいと思った。そのひとつが、冒頭の誌上シンポジウム「食べるための胃瘻──これからの現場でその意義は?」である。いま現場で直面している答えのない大きな課題に、各分野の最前線で活躍される先生がたから忌憚のないご意見をお寄せいただき、読者のみなさんの問題解決の足場にしていただくというものである。  そのほか、各章とも、現場で遭遇し問題となるような内容を中心とし、各執筆者の先生がたには、読みやすく、わかりやすく記載していただくよう重ねて依頼させていただいた。このような編集方針のため、各執筆者の先生がたには、通常の執筆以上の多大な労力をおかけしたかもしれない。この文章をもって、深く感謝の意を申し上げたい。  2015年4月 吉田貞夫

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