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がん患者の皮膚障害 -事例でわかるアセスメントとケアのポイント
がん患者の皮膚障害 -事例でわかるアセスメントとケアのポイント
著者名 編著 祖父江正代(JA愛知厚生連江南厚生病院 皮膚・排泄ケア認定看護師 がん看護専門看護師)
発行年月日 2015年8月28日
判・頁数 B5判 144頁
ISBN 9784907176389
定価(10%税込) 定価 3,520円(10%税込)
在庫 在庫あり 
書籍概要
がん患者の看護では、化学療法や放射線治療の副作用である皮膚障害をどう予防し、どうケアしていくのかが問題となります。臨床現場でナースが 直面する“困っていること”について、アセスメントとケアのポイント、事例検討によって具体的に解説します。
書籍目次詳細
目次
part 1 手術を受ける患者の皮膚障害ケア
手術中に発生する褥瘡の予防とケア
手術後に発生する褥瘡の予防とケア
医療関連機器圧迫創傷の予防とケア
離開創のアセスメントとケア
part 2 がん化学療法を受ける患者の皮膚障害ケア
手足症候群・皮膚乾燥のアセスメントとケア
痤瘡様皮疹のアセスメントとケア
爪囲炎のアセスメントとケア
移植片対宿主病(GVHD)のアセスメントとケア
ストーマ周囲の皮膚障害の予防とケア
part 3 がん放射線治療を受ける患者の皮膚障害ケア
放射線皮膚炎の予防と発生後ケア
ストーマ周囲の皮膚障害の予防とケア

part 4 がん終末期患者の皮膚障害ケア
スキンテアの予防とケア
褥瘡の予防とケア
便失禁による皮膚障害の予防とケア
がん自壊創のアセスメントとケア
瘻孔のアセスメントとケア
浮腫とリンパ漏のアセスメントとケア
part 5 在宅療養中のがん患者の皮膚障害ケア
褥瘡の予防とケア
皮膚障害のケアに必要な地域連携体制
さくいん

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序文・はじめに・あとがき 等
まえがき
がん治療はここ数年で目覚ましく進歩し、「がんに罹ったら死に至る」という病気から 「がんに罹ったが治った」といえる時代に少しずつ近づいてきました。しかし、その反面、 がん治療の副作用に悩んでいる方も少なくありません。嘔気、食欲不振、倦怠感などと ならび、分子標的治療薬や放射線治療などに伴う皮膚障害も患者さんを悩ませる副作用 のひとつです。その程度によっては、がん治療の継続が困難になることもあるため、皮膚障害が重症化しないようにすることが必要です。
 一方、がんを治すことが難しく、がんとともに生きている方は「一つ症状が増えるたびに、死が近づいたと感じてしまう」と話されます。痛みや呼吸困難、全身倦怠感、腹 部膨満感などと同様に、褥瘡、がんの自壊、瘻孔形成なども一つの症状として認識し、 その状態の変化に一喜一憂します。このような症状による苦痛があると、生きていくこ と自体もつらくなってしまうこともあります。そのため、がん患者さんがその人らしい 生活を維持できるよう、症状による苦痛をできるかぎり緩和していくことが必要です。 今回、がんの診断期から終末期にわたって起こりうる皮膚障害の予防から発生後のケ アについてまとめる機会をいただきました。がんも治るようになってきたとはいえ、がん患者さんはがんと診断されてから、ずっと今後の生活や死への不安をいだきながらがんと闘っています。なかには、「がんが治癒しても再発への不安は拭いきれない」と言われる方もいます。
 このような状況のなかで、私たち看護職にできることは、ケアを駆使してできるかぎり皮膚障害を予防するとともに、発生した皮膚障害や皮膚病変を適切に管理して、新たな身体的苦痛や精神的苦痛をつくらない、増強させないことではないかと思います。 本書では、より実践につながるケアを紹介したいという思いから、各ケアを専門的に 行っている皮膚・排泄ケア認定看護師、がん化学療法看護認定看護師、がん放射線療法看護認定看護師、MSW の方々に、事例をもとにケアの実際を紹介していただきました。患者さんをイメージしながら、ケアの参考にしていただけると幸いです。 本書が多くの看護職の方々のお役に立てること、そして、少しでも多くのがん患者さんの治療継続、苦痛緩和、その人らしい日常生活の維持につながることを願っています。最後に、お忙しいなか分担執筆いただきました執筆者の方々、このような機会をいた だきましたサイオ出版ならびにヴィンセントの編集者の方々に深く感謝いたします。

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