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もう実習で困らない 患者とのコミュニケーション
もう実習で困らない 患者とのコミュニケーション
著者名
発行年月日 2019年11月25日
判・頁数 B5判 144頁
ISBN 9784907176860
定価(10%税込) 定価 2,420円(10%税込)
在庫 在庫あり 
書籍概要
どのような疾患の患者にかかわるときにも必要なコミュニケーション・スキルを解説したうえで、領域ごとに特徴的な患者の心理とその対応術をまとめた。また、患者の状況をイメージしやすいように、ケースを設定してコミュニケーションの図り方を紹介する。
書籍目次詳細
おもな内容
第1 章 コミュニケーション・スキルを身につけよう
1. コミュニケーション・スキルの必要性
2. 患者と接する時の基本(マナー)
3. 非言語的コミュニケーション・スキル
4. 言語的コミュニケーション・スキル
5. ロール・プレイングでスキルを習得しよう

第2 章 情報収集とケアを実施するときのコミュニケーション・スキル
1. 情報収集の時のコミュニケーション・スキル
2. ケアを実施する時のコミュニケーション・スキル

第3 章 慢性疾患の患者とのコミュニケーション
1. 生活指導が必要な患者
 Case1 教育入院をしている糖尿病患者
2. 生活行動の変更を余儀なくされる患者
 Case2 透析が必要になった患者

第4 章 術前・術後の患者とのコミュニケーション
1. 術前の患者
 Case1 乳房切除術を受ける乳がん患者
2. 術後の患者
 Case2 直腸切除術を受け、ストーマを造設した患者

第5 章 リハビリテーションを行う患者とのコミュニケーション
障害を受容するまでの心理プロセス
 Case1 脳梗塞を起こし、右片麻痺が残った患者
 Case2 脊髄損傷によって下肢が麻痺した患者

第6 章 終末期にある患者とのコミュニケーション
1. 終末期にある患者
 Case1 何でも自分でしようとする肝臓がん末期の患者
2. 家族のサポート
 Case2 妻が24時間付き添っている食道がん末期の患者

第7 章 認知症の患者とのコミュニケーション
1. 認知症とは
2. 患者の心理と基本的な接し方
3. 行動・心理症状への対応の仕方
 Case1 発語がなく、表情が険しい患者
 Case2 1人で出て行こうとする患者

第8 章 精神疾患の患者とのコミュニケーション
1. 基本的な接し方
2. 精神症状への対応の仕方
 Case1 臥床して過ごすことが多いうつ病の患者
 Case2 統合失調症の慢性期にある患者

第9 章 患児とのコミュニケーション
1. 発達段階ごとのコミュニケーションの特性
2. 患児が抱えているストレスや不安
3. 母親や家族のサポート
急性リンパ性白血病の4歳児
ネフローゼ症候群の10歳児

第10章 妊産褥婦とのコミュニケーション
1. 妊産婦
2. 褥婦
 Case1 児に光線療法が必要になり、ショックを受ける褥婦

第11章 コミュニケーション手段に障害がある患者とのコミュニケーション
1. 視覚障害がある患者
2. 聴力障害がある患者
3. 言語障害がある患者
4. 人工呼吸器を装着している患者

第12章 実習のお悩みQ&A
Q1 実習に遅刻しそうなときは
Q2 患者さんからプレゼントをもらってはいけませんよね?
Q3 ナースコールや電話が鳴ったら
Q4 患者さんからいやらしい言葉をかけられました。
Q5 受け持ち以外の患者さんからもケアを頼まれる。
Q6 患者さんにケアを断られた。
Q7 実習指導者の方とのコミュニケーションに悩んでしまいます。

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序文・はじめに・あとがき 等
はじめに
 「最近の学生は患者さんとコミュニケーションをとるのが苦手ですね」という声を病院の実習指導者からよく聞きます。学生自身も、「患者さんにどのような言葉をかければいいのかわからない」と悩んだり、「患者さんからケアを拒否された」と落ち込むことが多いのではないでしょうか。
 ほとんどの患者は学生よりもずいぶん年上で、しかも疾患による精神的・肉体的苦痛を抱えています。2~3週間というわずかな実習期間に、初対面の患者とコミュニケーションをとるのは、学生にとっては難しいことかもしれません。しかし、患者にかかわっていかなければ看護は始まりません。
 本書では、どのような疾患の患者にかかわるときにも必要なコミュニケーション・スキルを解説したうえで、領域ごとに特徴的な患者の心理とその対応術をまとめました。また、患者の状況をイメージしやすいように、ケースを設定してコミュニケーションの図り方を紹介しています。
 患者の性格や生活背景はさまざまですし、疾患の種類や程度も患者によって異なります。そのため、本書に記した対応術が、どの患者にも通用するとはかぎりません。しかし、患者の心理を理解したり、コミュニケーションをとるときの参考になるはずです。実習が始まる前や、患者とのコミュニケーションに困ったとき、本書を開いてかかわり方を考えてみてください。
 同時に、「どうすれば患者を援助できるだろうか」と一生懸命に考えることを忘れないでください。学生は、「情報収集をしなければ」「実習記録を書かなければ」と、実習を進めることに集中しがちですが、それではコミュニケーションはとれません。患者を大切に思い、愛情を注ぐことが何よりも大切です。その気持ちが患者に伝わり、コミュニケーション・スキルが伴っていれば、きっとうまくコミュニケーションをとれるようになると思います。
 患者とのコミュニケーションは、看護を実践するうえで欠かすことができないものです。皆さんが、患者とうまくコミュニケーションをとれる看護師に育つことを願っています。

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