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精神看護の看護過程
精神看護の看護過程
著者名 他著:水野恵理子(淑徳大学看護栄養学部教授)
発行年月日 2020年5月27日
判・頁数 B5判 152頁
ISBN 9784907176877
価格(税別) 本体価格 2,200円+税
在庫 在庫あり 
書籍概要
「精神科の看護をどのように立てればいいのか悩む」「精神科は難しい」と悩む学生のために精神看護の手立てが少しでも見えてくるようになることを目的に、実習でよく出合う精神疾患について、その病態生理、事例と看護過程の展開の実際、患者さんとのかかわりを振り返るツールであるプロセスレコードの実際を盛り込んで解説する。
書籍目次詳細
目次
第1章 精神看護とは

1 精神看護の領域
1.精神看護の定義と概念
2.精神医療の歴史と課題
 諸外国の精神医療/わが国の精神医療  
3.精神看護がめざすもの

2 対象のとらえ方
1.対象を理解するための手立て
 患者の言葉の背景にあるものを知る/Beingの意味と実践/「まともさ」を信じる/患者にとっての病の意味を考える
2.精神機能とその異常
 意識/知覚/記憶/知能/思考/言語/感情/意欲/自我意識

3 看護師の役割と技術
1.看護モデル
 セルフケアに焦点をあてた看護理論/人間関係に焦点をあてた看護理論 
2.精神科臨床におけるケアの原則(ケアの基本)
 自我を脅かさず自我機能を高める/傾聴する/感情表出や情緒的交流ができる環境づくり/受容する/治療的な自己活用/ロールモデルになる/患者の健やかさや本来の姿を知る/患者-学生関係の意識する
3.観察、情報収集、アセスメント
 観察/身体状態の確認/患者の訴えに注意する/患者の全体像を把握する/患者を線で理解する/情報収集/アセスメント
4.対人関係における技術
 コミュニケーション/共感/距離/信頼関係/プロセスレコード

4 精神看護学実習での学び
1.実習体制
2.学生の変化
3.カンファレンスの意義

第2章 看護過程の実際
1 統合失調症
2 気分障害
3 認知症
4 摂食障害
5 アルコール依存症


第3章 地域における生活支援
1 精神障害をもちながら地域で生活するということ
1.精神障害者の「生きづらさ」
2.精神障害を抱えてどのような状態になっているのか
3.社会生活の維持
 医療の継続/精神科リハビリテーションとリカバリー/社会の理解

2 地域生活を支えるための資源
1.精神障害者を取り巻く現在の制度の成り立ち
2.関連する主な法律
 1995年精神保健福祉 2013年障害者総合支援法
3.主なサービス
 障害者総合支援法におけるサービス/精神保健福祉法における精神障害者保健福祉手帳/その他のサービス


3 家族への支援
1.家族に期待されること
2.家族の状況
3.家族の支援
 精神障害(者)に関する適切な情報の提供/生活上の困難さの軽減
4.家族を理解すること

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序文・はじめに・あとがき 等
「精神科は難しい」「受持ち患者さんは質問すればぽつりと答えるだけで会話が終わる」、「何を問題にあげていいのかわからない」と学生は口にする。このような悩みをもつ学生にとって、精神看護の実際が具体的に見えてくるようになることが本書のねらいである。
 実習で出会う5つの精神疾患の病態生理、事例と看護過程の展開、患者とのかかわりを振り返るツールであるプロセスレコードを盛り込んでいる。得られた情報をどのようにアセスメントするのか、看護計画をどのように立てるのか、その実施と評価をどのように行なうのかを具体的に学ぶことができる構成になっている。
 また、精神科における対象のとらえ方、精神看護の技術、地域における生活支援についても触れている。

はじめに
学生が実習で受け持つことが多いのは、統合失調症や気分障害をもつ患者さんだと思います。認知症の看護は、主として高齢者(老年)看護学の実習のなかで行っています。しかしながら、精神科に入院している高齢の患者さんのなかには、うつ病か認知症かの鑑別に時間を要する場合、妄想や判断力の低下から当初は統合失調症の診断でしたが、実は認知症であったという場合が少なくありません。摂食障害やアルコール依存症をもつ患者さんを学生が受け持つことはまれだと思います。この2つの疾患は、しっかりとした基盤のもとでの患者-主治医・看護師の関係性が必要であり、短期間の実習で患者との関係構築は容易ではないこと、患者のパーソナリティや病気による言動に学生が揺さぶられずに対応することは難しいといった理由があるからです。また、どちらも精神疾患でありつつ身体疾患でもあるといった共通点があります。身体面の看護の比重が大きい精神疾患の代表です。
本書では、5つの精神疾患の病態生理、事例と看護過程の展開、患者さんとのかかわりを振り返るツールであるプロセスレコードを盛り込んでいます。得られた情報をどのようにアセスメントするか、看護計画をどのように立てるのか、計画の実施と評価をどのように行なうのかを具体的に学ぶことができる構成になっています。また、精神科における対象のとらえ方、精神看護の技術、地域における生活支援についてもふれています。
この「はじめに」を書いている最中、看護学科3年生は精神科病院で実習を行っていました。学生は「精神科は難しい」「受持ち患者さんは質問すればぽつりと答えるだけで会話が終わる」、「何を問題にあげていいのかわからない」と口にします。患者とのコミュニケーション、看護問題の明確化、看護援助の立案などは、他科の実習ではあまり悩むことがない面かもしれません。このような悩みをもつ学生にとって、精神看護の実際が具体的に見えてくるようになることが本書のねらいです。実習前はもちろんのこと、実習中困った際に本書を手にとることにより、精神看護初学者にとっての助けになることを期待します。
2020年4月
執筆者を代表して
水野 恵理子

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