解剖生理学を学び進んでいくと、生理学の重要性に気づかされる。それは、それぞれの臓器や組織の働きが、非常に複雑でありかつ覚えにくいからである。しかし、この複雑な働きをきちんと覚え、整理して行かなければ、先々の学習で思い悩むことになるであるだろう。
そこで本書では、生理学に特化し、臓器や組織の「はたらき」について、わかりやすく平易な文章で解説している。ぜひ本書を学習し、生理学を自分のものにしてほしい。そこで初めて、解剖生理学の学習が完結すると言っても過言ではない。

目　　次

総論・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
１．細胞の構造と機能
２．生体の化学組成
３．体液の区分と組成
４．細胞膜を介する物質輸送

血液・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
１．血液の成分
２．血液凝固（止血）と線維素溶解
３．生体防御（免疫）
４．血液型と輸血

循環・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
１．循環と心臓のポンプ作用
２．心臓の構造と機能
３．血管の構造と働き
４．血圧
５．循環の調節

呼吸・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
１．換気の仕組み
２．肺気量
３．ガス交換
４．血液中のガスの運搬
５．呼吸調節
６．換気障害の分類
７．異常呼吸

消化と吸収・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
１．消化管の運動
２．主な消化酵素、基質（酵素が働く物質）、分解産物
３．消化液の分泌調節
４．消化管ホルモン
５．肝臓の働き
６．胆汁
７．排便

栄養と代謝・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
１．栄養素と代謝
２．ビタミン
３．エネルギー代謝
４．基礎代謝量

体温・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
１．体温
２．熱産生
３．熱放散
４．体温調節
５．発熱

排泄・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
１．尿の生成
２．糸球体ろ過圧
３．尿細管での再吸収と分泌
４．クリアランス
５．浸透圧、血圧調節
６．排尿
７．酸塩基平衡

内分泌・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
１．外分泌と内分泌
２．ホルモンの種類
３．分泌調節
４．ホルモンの作用
５．ホルモンの分泌異常　

生殖・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
１．性染色体
２．性腺と生殖管の分化
３．精子産生
４．卵巣周期と子宮周期
５．受精・着床・妊娠
６．分娩・授乳
７．乳汁分泌




神経系総論・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
１．神経組織の構造と機能
２．神経細胞の生理学
３．神経線維
４．神経系概要

中枢神経系・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
１．大脳
２．間脳
３．脳幹
４．小脳
５．脊髄の機能
６．反射

末梢神経系・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
　１．神経系のしくみ
２．自律神経系
３．脳神経
４．脊髄神経

感覚・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
１．感覚の種類と受容器
２．感覚の一般的性質
３．体性感覚
４．特殊感覚

運動と筋収縮・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
１．筋肉の分類と特徴
２．骨格筋線維の種類
３．骨格筋の構造
４．興奮収縮連関：活動電位により収縮が起こるしくみ
５．筋収縮のエネルギー
６．単収縮・加重
７．筋収縮の２型
８．平滑筋と心筋

運動の調節・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
１．運動神経
２．運動神経の調節
３．運動の障害

本書の使い方

「生理学は覚えることがいっぱいだし、苦手」「難解な漢字や数字がたくさんあってテストが不安……」と嘆いている読者の皆さんのために、少しでも生理学を身近なものに感じていただき、さらに試験やテスト前の知識が簡単にチェックできるものを、そんな思いから本書を企画しました。

●本書は16のChapterから構成されています。各Chapterとも、知っておきたい、押さえておきたい生理学の知識を図表とともに簡潔にまとめてあります。重要語句を赤字にしたり、二択にして正しい方を赤く囲んであります。お手持ちの赤色のチェックシートを活用することによって、生理学の要点を総チェックし、繰り返し使えるノートとなっています。答えがわからなくても不安に感じずに、すぐに答えを見てもいいんです。赤色シートで隠さず、重要語句だという意識で繰り返し見て復習に活用してもいいでしょう。

●Chapterごとに、過去に看護師国試で出題された問題を中心にピックアップした「練習問題でおさらいしよう」を用意しました。Chapter内でチェックした内容をこの練習問題で再確認することができます。また、より理解を深めるための「考えるポイント」、Chapter内にもミニ問題があります。



増田敦子