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新訂版 人体解剖ビジュアル
新訂版 人体解剖ビジュアル
著者名 松村 讓兒(杏林大学医学部第一解剖学教室 教授)
発行年月日 2015年2月5日
判・頁数 A4判 224頁
ISBN 9784907176273
定価(10%税込) 定価 4,180円(10%税込)
在庫 在庫あり 
書籍概要
はじめて解剖学を学ぶ者でも抵抗なく読み進められるように、からだの仕組みを大判フルカラーアトラスで解説。また、各系統における代表的な疾患の解説を掲載し、臨床に視点からも各系統の機能を理解できるようにした。
書籍目次詳細
人体解剖ビジュアル目 次 はじめに 3 解剖学用語の漢字表記に関するお断り 8 1 からだの名称とからだをつくるもの 9 1からだの名称と区分 10  ・からだの名称と区分 10  ・からだの内部 12 2からだをつくるもの 14  ・細胞から器官へ 14  ・遺伝子 16
2 からだの動き 19 1骨格系 20  ・骨の構造 20  ・頭の骨 22  ・上肢の骨 26  ・脊柱と脊椎 30  ・下肢の骨 34  ・骨盤 38  ・関節の構造 40  ・骨と筋のつながり 42 2筋系 44  ・筋の構造 44  ・頭頚部の筋 46  ・胸腹部の筋 48  ・上肢を動かす筋 50  ・下肢を動かす筋 54
*からだの動き 56 コラム1カンガルーのアキレス腱 57 3 からだを維持する仕組み593 1循環器 60  ・心臓の構造 60  ・心臓が動く仕組み 62  ・心臓のポンプ機能 64  ・冠状動脈・静脈 66  ・動脈と静脈 68  ・血液の成分と働き 70  ・血液の生成 72  ・血液の流れ 74  ・腹部の動脈 78  ・腹部の静脈 80  ・胎児の血液循環 82 2呼吸器 84  ・気道と肺の仕組み 84
 ・呼吸の仕組み 86  ・咽頭 88  ・喉頭と声の仕組み 90 3消化器 92  ・口・歯・唾液腺 92  ・胃 94  ・十二指腸・胆嚢・膵臓 98  ・肝臓 100系  ・小腸 104  ・大腸 106  ・直腸と肛門 110
4泌尿器 112  ・腎臓 112  ・尿ができる仕組み 114  ・膀胱 116 コラム2ロースはどこの部位? 118 4 からだの調節機能119 1脳と神経 120  ・神経系の構造 120  ・ニューロンの活動 122  ・脳の構造・中枢 124  ・脳を保護する仕組み 126  ・脳神経 128  ・脊髄 132  ・脊髄神経 134  ・交感神経と副交感神経 140  ・神経路の構造 142  ・大脳辺縁系 146  ・睡眠 148  ・脳の情報処理 150 2感覚器 152  ・皮膚・毛・爪 152  ・皮膚の働き 156  ・眼の構造と視覚 158  ・眼球の運動・視覚の伝導路 160  ・味覚 162  ・嗅覚と鼻 164  ・耳の構造 166  ・聴覚・平衡覚 168 3ホルモン 170  ホルモン産生器官 4リンパ・免疫 178  ・リンパ系とリンパ節の構造 178  ・頚部・腋窩・鼡径リンパ節 180  ・免疫と病原体 182 コラム3ライオンの眼とシマウマの眼 184 5 生命の連続性185 1生殖器 186  ・女性生殖器 186  ・乳房 190  ・男性生殖器 192 2生命の誕生 194  ・精子と卵子の出会い 194  ・胚の成長と胎児の発達 196  ・妊娠の経過 198 コラム4アナスタシアの謎 200
DATA からだのデータ 201  参考文献 210  索引 212

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序文・はじめに・あとがき 等
はじめに 世の中に解剖学の入門書は星の数ほどある。その内容も、子ども向けの簡単なものから入門 書とは思えないほどの情報を詰め込んだものまで色々である。だから、この本を出版するとい う計画が持ち込まれた当初は「何を今さら解剖学入門書なのか、誰が読むのか、誰が買うのか」 と腰が引けた(後半部分は今でも少し思っている)。でも、編集担当の方から「人生色々である ように、学び方も色々でしょう。色々な本に接して人体の面白さ、自然の奥深さを感じて欲し いと思いませんか?」と先生のような台詞を言われると、単純にも「そうかもしれない、いや、 間違いない!」と確信する結果となってしまった。 看護師はじめ医療系のプロを目指して勉強中の人たちにとって、解剖学は「面白い」などと 言っていられるものではない。難解な医学用語の洪水と迷宮のように入り組んだ血管・神経・ 筋がなぜ面白いのか。訳の分からないままに授業は進み、加えて教科書はまるで魔法使いの呪 文集である。魔法の呪文なら、唱えれば何かを起こすことができそうだが、解剖学の呪文(?) は何の役にも立たないように見える。このように味気ない科目の代表とされる解剖学が、なぜ か将来「もっと勉強しておけばよかった」と悔やまれる科目の筆頭でもあるという。なぜなの だろうか。 この矛盾の一番の原因は「解剖学を憶える」とか「勉強する」という姿勢にある。旅行の時、 経路ごとにすべてを暗記しながらガイドブックを読んだらどうだろうか? どんなにつまらな い旅になるかは想像に難くない。解剖学も同じである。解剖学の学習は人体を旅することであ り、教科書もそのつもりで読まなければ「面白さ」を感じることなどできない。だから、この 本ではイラストの力を借りて人体の旅のガイドブックをつくることにした。略図では、仕組み や原理はわかっても旅している実感がわかない。かといっていきなり解剖写真を見ても、生々 しさだけが印象に残り、肝腎の中身はわからないということもある。そこで、子どもの図鑑の ように、とっつきやすいカラー・イラストで人体を旅してもらおうと淡い希望を抱いたのであ る。〔希望だけで終わらないことを祈っているが…〕 イラストの力を借りたと言っても、名称を羅列したわけではなく、看護師や医療系のプロを 目指す人たちに必要な最小限の情報は盛り込んだつもりである。また、臨床との関連からも興 味を持ってもらいたいという期待から病気の解説も簡単に示した。 もちろん、この本だけですべてが網羅されるはずもない。この本のイラストでからだのイメ ージをつかみ、将来「もっと勉強しておけばよかった」ではなく「もっと勉強したい」と思っ てくれれば、ちょっと嬉しい。そして、この本をきっかけに「解剖学は楽しい」と感じてくれ る人が少しでも増えれば、筆の遅い執筆者と上司の間で気をもんだ編集担当者も、苦労して絵 を描いたイラストレーターも、みんな嬉しいに違いない。 ※本書は誤字等を修正し、2015年に新訂版として出版されたものです。 2004年師走 杏林大学医学部第一解剖学教室 松村讓兒

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