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妊娠中および産後の不安と抑うつのための認知行動療法
妊娠中および産後の不安と抑うつのための認知行動療法
著者名 著;Sheryl M. Green, Benicio N. Frey, Eleanor Donegan, and Randi E. McCabe 監訳;髙橋 眞理
発行年月日 2022年7月21日
判・頁数 B5判 168頁
ISBN 9784867490051
定価(10%税込) 定価 3,960円(10%税込)
在庫 在庫あり 
書籍概要
本書は、妊娠中および産後の不安や抑うつ(うつ病)の治療を促進するための実践的なガイドである。読者は、妊娠中や産後に不安やそれに関連する困難が増加する理由、症状を維持するうえで考えや行動が果たす重要な役割、そして実際の認知および行動戦略を適用し、苦痛を軽減し対処スキルを高める方法について学ぶことができる。 最新の研究が盛り込まれており、臨床医も個人も同様に、周産期の人々の特別なニーズに対応する、カスタマイズ可能な認知行動療法に基づく配布資料、演習、ワークシートが提示されている。
書籍目次詳細
目次
part Ⅰ 妊娠中およびそれ以降の不安とうつ病:症状とCBTアプローチの理解
第1 章 妊娠中と産後の不安を理解する:不安定な時期
第2 章 妊娠中および産後抑うつ:一般に不安とともに起こる
第3 章 症状軽減のための認知行動アプローチ

part Ⅱ  不安と抑うつに対するCBT:治療への段階的アプローチ
第4 章 気づきを高め、トリガーを理解する
第5 章 思考エラーへの取り組み: 3 つの認知戦略
第6 章 生産的な心配で問題解決
第7 章 治療的暴露による問題行動の修正
第8 章 行動活性化:行動を変えることによって気分を改善する
第9 章 アサーティブコミュニケーション:ニーズに応えるスキルを身につける
第10章 前進する:効果を維持し、スリップを管理する

part Ⅲ  Well-Beingを高めるための他のアプローチ:薬とサポート
第11 章 不安と抑うつに対する治療法の選択:薬に関する留意事項
第12 章 ストレス軽減のためのサポートネットワークを強化する

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序文・はじめに・あとがき 等
監訳者序文
 本書は、Sheryl M.Green,Benicio N.Frey,Eleanor Donegan,Randi E.McCabe 著による“Cognitive Behavioral Therapy for ANXIETY and DEPRESSION During PREGNANCY and BEYOND”の全訳です。
 本書は、マックマスター大学(カナダ)健康科学部精神神経行動学の准教授・教授であり、女性の気分障害や不安障害専門クリニックで臨床を行う、臨床健康心理学者らによって執筆された、妊娠中と産後の不安およびうつに対する認知行動療法(CBT)の優れたテキストです。
 妊娠中と出産後1 年までは、女性とその家族にとって喜びに満ちた時期ですが、多くの女性は、不安や精神的苦痛が増大する時期でもあります。近年女性や医療従事者の多くは、マタニティーブルーズや産後うつについては周知してきています。なお、最近の研究では、妊娠中および産後の女性の不安および不安障害も、産後うつと少なくとも同程度の重要なメンタルヘルスの課題であることも指摘されます。このようななか、本書は、不安や、うつなどの周産期ディストレスを抱える新米・妊産婦のニーズに応えるために考案された、新しいCBT プログラムです。
 全体は三部構成です。主な内容は、Part Ⅰ「妊娠中およびそれ以降の不安とうつ病」では、不安の生物学的基盤および闘争・逃走反応、不安に伴って生じる身体感覚、不安を感じているときの思考の性質や、ベビーブルーズ(マタニティブルーズ)と妊娠中・産後うつとの相違など、ここでは症状の理解を学びます。また、妊娠中および産後の女性がしばしば経験する不安と関連する心配や抑うつの症状軽減にむけた認知行動アプローチについて学びます。Part Ⅱ「不安とうつ病に対するCBT- 治療への段階的アプローチ」では、まず、思考モニタリングフォームを使い、不安やうつを管理するスキル、戦略を学びます。次に、治療へのステップ・バイ・ステップとして、CBT の中心的な考え方である、思考が私たちの感情体験や困難な状況にどう対処するか、さらに、役に立つ心配と役立たない心配の違いを識別する方法、また、回避の繰り返し、確認、安心感を求めるなど、不安やその他の否定的な感情に対する特定な行動が果たす重要な役割、抑うつに対し目標を定める行動活性化の戦略、さらに、アサーティブコミュニケーションの言語的・非言語的側面および受動的・攻撃的なコミュニケーションスタイルとの対比などを学んでいきます。Part Ⅲ「Well-Being を高めるためのその他のアプローチ」では、妊娠中や産後女性に対する精神作用性薬物の有益性とリスクや安全性に関する懸念、最終章では、この時期に不安、うつ、またはその他の精神衛生上の困難のために薬物を服用するか否かの決断に悩む女性を支援するガイドの枠組みも提示されています。
 また、本書は、冒頭で、妊娠中や産後に不安を抱えるカサンドラ、ファニータ、ゾーイ、キーシャ、エリザベスの5 人の女性のケース紹介から始まり、多くの章では、彼女たちのケースを通しながら学んでいくように展開されているため、CBT の実際について、身近な事例を通しながら対処スキルを学んでいくことができるという特徴をもちます。
 翻訳にあたっては、これまでわが国では周産期に特化したCBT の体系的なテキストがみあたらなかったため、3 年前、順天堂大学大学院医療看護学研究科ウイメンズへルス看護学ゼミのメンバーを中心に、1 年間の抄読会を行いました。その後、コロナ禍で作業が一時中断しましたが、分担翻訳を進め、出版の運びとなりました。本書は、新米妊産婦とその家族、そして医療従事者に役立つCBT の情報、戦略、リソース、支援ネットワークなどについて学習できる書です。また、最新の研究が盛り込まれており、カスタマズ可能なCBT の配布資料、演習、そして数多いワークシートが提示されていますしたがって、周産期のメンタルヘルスに対するCBT のスキルを修得する優れた実践書ですので、周産期のCBT に関心をもつすべての人に役立つと考えます。
 監訳作業では、章ごとに執筆者が異なるため、それぞれの文脈から同じ用語でも異なる意味で用いるなど、用語の統一が完全に図れていないことをご了解いただければ幸いです。最終的な日本語訳は、全体を通して監訳者が確認いたしましたが、不十分な点等もあると思います。訳文に関してお気づきの点があれば、お知らせいただくよう、お願いいたします。

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