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看護・コメディカルの口腔ケア実践ハンドブック
看護・コメディカルの口腔ケア実践ハンドブック
著者名 編著;岩重洋介(沼津市立病院歯科口腔外科)
発行年月日 2022年7月21日
判・頁数 B5判 112頁
ISBN 9784867490037
定価(10%税込) 定価 2,530円(10%税込)
在庫 在庫あり 
書籍概要
看護師、コメディカルが知っておきたい口腔、う蝕、歯周病などの基礎知識、手技の実際をわかりやすく解説。疾患や患者の状態別の口腔ケアのケアや注意点も紹介し、病院や施設だけでなく在宅でも活用できる一冊。
書籍目次詳細
はじめに
第1章 口腔ケアとは?
第2章 口腔の基礎知識
口腔の解剖;口腔の構造と機能
・口唇
・頬
・口蓋
・口腔底
・口峡
・歯
・歯周組織
・顎下部
・唾液腺
口腔の2大疾患
・う蝕症
・歯周病

第3章
患者状態別口腔ケアのポイント
・義歯装着患者の口腔ケア
・意識障害のある患者の口腔ケア
・口内炎のある患者の口腔ケア
・開口することが困難な患者の口腔ケア
・誤嚥性肺炎と口腔ケア
・口腔内が乾燥している患者の口腔ケア
・糖尿病患者の口腔ケア
コラム;糖尿病と歯周病は危険な関係?
・片麻痺のある患者の口腔ケア
・気道管理中の患者の口腔ケア

第4章
小児と障害者の口腔ケア
・小児の口腔ケア
・障害者の口腔ケア

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序文・はじめに・あとがき 等
はじめに

厚生労働省によると、2018年の平均寿命は女性が87.21歳、男性が81.25歳で男女ともに過去最高となっており、平均寿命の長さを世界の国・地域と比較すると、日本は女性が2位、男性3位となっています。
現在、高齢者(65歳以上)は人口の約28.6%を占めており、2025年には30.3%、2055年では約40%となると推測されています。高齢化社会が進むにつれて要介護高齢者の数は増加し、1993年に約200万人だった数は2025年には約530万人に増加すると推計されています。
高齢者は運動機能の低下や代謝機能の低下により色々な疾患にかかりやすく、約80%の高齢者が入院の経験があり、また、回復が若い人に比べ遅くなることは言うまでもありません。その結果離床が遅くなり、さらに他の疾患に罹患するという悪循環に陥ります。
後期高齢(75歳以上)は自身の歯が少なく、残存歯が16本で何らかの義歯を使用している方が約84%とのデータがあります。厚生労働省(当時の厚生省)と日本歯科医師会では8020(ハチマルニイマル)運動(80歳になっても自分の歯を20本以上保とう)を提唱し、1989年より開始しています。当時「8020」を達成している高齢者(後期高齢者)は10%にも満たない状況でしたが、2016年の全国調査では、75~84歳の51%が達成していることが示されました。しかし高齢者人口は今後も増え続けていますので、「8020」に達していない高齢者の数は多い状態が続いています。
歯がないことによる弊害は、QOL(クオリティ・オブ・ライフ=生活の質)の低下や他の疾患への罹患率の高さにつながり、また、歯があってもう蝕や歯周病に罹患していては同様です。
看護師や看護学生の方は看護学校で歯科の授業を受けた、または受けていると思いますが、何時間の授業だったでしょか? 国家試験に合格し、実際の臨床現場で口腔ケアを行うにあたりどれだけの知識があるでしょうか? 現在新型コロナウイルスによるパンデミックで医療現場は逼迫しており、重症患者の口腔ケアが重要であることはメディアを通じて知っているとは思います。
本書では“口腔ケアがなぜ大切なのか”を序章とし、知っているようであまり知られていない口腔の解剖、虫歯や歯槽膿漏の成り立ち等や現場で知っておきたいことを項目ごとに解説し、わかりやすく説明しました。
また、本書の最大の特徴として、文章はなるべくわかりやすく簡素にまとめ、写真や図を多く掲載し、できるだけ視覚的に理解していただけるようにしました。
各項目の執筆にはそれぞれ臨床での経験豊富な歯科医師、歯科衛生士の医療現場の第一線で活躍されている方々に担当していただきました。
本書が現在または将来にわたり、看護や介護に携わっている看護師や介護士の方々をはじめ、看護学を専攻している学生諸氏や自宅での看護をされている方々の一助となれば、執筆者一同この上ないよろこびです。
2022年6月 岩重洋介

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