解剖生理をおもしろく学ぶ 【第2版】
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書籍概要
想像力をもって身体と向き合うことをコンセプトに、解剖生理の知識を一つひとつ学んでいくテキストの改訂版。読み進めていくうちに解剖学の基礎知識と、生理的機能の知識が徐々に身につく。
書籍目次詳細
目次
Prologue
いざ、身体を探る旅へ
Chapter1 生命誕生の起源
生命は海から生まれた
Chapter2 細胞ってなんだ?
生物はすべて細胞からできている
ユニークな細胞
実は多機能、細胞膜
海水と体液の電解質濃度
受動輸送と能動輸送
通すものを「えり好み」する細胞膜
ナトリウム- カリウムポンプ
細胞はタンパク質の工場
設計図を保管するコントロールタワー—核
遺伝子に記録されたアミノ酸の配列
タンパク質の組み立て場—リボソーム
転写から翻訳、そして合成へ
タンパク質の配送センター—ゴルジ装置
細胞の発電所—ミトコンドリア
ATP
ゴミ処分場—リソソーム
Chapter3 流れる・運ぶ
多細胞生物が備えた物流システム
画期的だった血液循環説
ウィリアム・ハーヴェイの実験
心臓の位置と構造
心臓の刺激伝導系
心周期と心音
心臓は働きもの
心臓はどうやって自分を養う?
身体に張り巡らされた交通路
動脈と静脈
脚の血液はどうやって心臓に戻る?
血圧とは—最高血圧と最低血圧
血液は何でできている?
血液を流れる円盤状の物質—赤血球
酸素を運ぶのはヘモグロビン
ヘモグロビンには、酸素より好きなものがある
いざ、毛細血管の中へ
血圧と浸透圧のバランスによる水の移動
リンパ管
運搬以外の血液の役割
Chapter4 呼吸する
酸素を使わず、呼吸する?
ミトコンドリアの登場がすべてを変えた
空気の入り口—鼻
咽頭と喉頭
気管から肺へ
肺胞の壁
肺の構造
肺胞と血管の間のガス交換
血中で二酸化炭素はイオンとして存在する
呼吸のメカニズム
換気の仕組み
死腔量と肺胞換気量
呼吸のしかたでガス交換の効率も変わる
呼吸と筋肉・脳の深い関係
脳幹は呼吸をどうコントロールしているか
大脳半球による呼吸のコントロール
Chapter5 食べる
同化作用と異化作用
さまざまな細胞と使われている栄養素
分解力をアップする酵素の力
消化酵素による分解の仕組み
消化器系の概観
食物の流れ
口の中
咽頭から食道へ
胃の中
小腸の中
胆嚢
胆汁の成分と脂質を乳化する胆汁酸の働き
膵臓とオールマイティな消化酵素・膵液
消化に欠かせない消化管ホルモン
小腸から門脈、肝臓へ
肝小葉
肝臓がもつさまざまな機能
血糖値をコントロールする肝臓の働き
肝臓がつくる胆汁の成分
肝機能検査と酵素の関係
脂質の行方
大腸から肛門へ
Chapter6 捨てる
二酸化炭素の捨て場所—肺
不揮発性ゴミの代表—アンモニア
ゴミを分別する腎臓
腎臓の位置と血流量
腎臓の構造
ネフロンにおける尿の生成
血圧と尿量の関係
そのほかのゴミ処理業者
アシドーシスとアルカローシス
Chapter7 調節する
生命活動の基本—ホメオスタシス
受容器と効果器を結ぶ神経ネットワーク
交感神経と副交感神経
インパルスは神経系共通の言語
インパルスを起こすのは神経細胞の興奮
脱分極を引き起こす神経伝達物質
カリウムイオンの出入りはいつ、止まる?
シナプスでのバトンタッチ
新幹線より速い神経の伝達速度
長時間、持続的に働くホルモン
ホルモンは標的細胞を刺激する
受容体の多くは細胞膜にある
2つの原料からつくられるさまざまなホルモン
ホルモンの世界は、完全なタテ社
血糖値の調節
血圧の調節
体液を調節する腎臓の働き
体温を調節する
体温を維持するのは、酵素のため
重要なのは脳内温度
体温を調節するのは視床下部
1日の間にも体温リズムはある
Chapter8 感じる・考える
神経細胞の発見とニューロン説
脳を構成する神経細胞とグリア細胞
細胞が減っても、頭はよくなる?
神経細胞のかたち
感覚受容器はAD(アナログ—デジタル)変換器
感覚によって人は行動できる
感覚が伝わる仕組みは共通
末梢神経と中枢神経
末梢神経の分類法
視覚のメカニズムを知る—眼
水晶体の調節で結ばれる像
光と色の情報を神経の信号に変える網膜
脳の構造
聴覚のメカニズムを知る—耳
空気の振動を水の振動に—外耳、内耳、中耳
内耳にある感覚細胞
平衡覚のメカニズムを知る—半規管と前庭
嗅覚のメカニズムを知る—鼻
微細な粒子を感知する嗅毛
味覚のメカニズムを知る—味蕾
偉大なセンサー—皮膚
危険信号としての痛覚
投射の法則と関連痛
Chapter9 動く
動物だけがもつ「動く」という特徴
眼に「見える運動」と「見えない運動」
意思で動くのは、骨格筋だけ
骨格筋が可能にするさまざまな動き
骨の機能
二足歩行を可能にした脊椎の形成
筋肉と骨をつなぐ腱
骨と骨をつなぐ関節
骨格筋の動きを操る大脳皮質からの指令
運動神経が通る2つの経路
骨格筋の構造
縞模様をつくる2種類の線維
筋収縮の動きはトランプをきるイメージ
筋肉の収縮とカルシウムの関係
肘関節の屈伸運動
筋肉を動かすエネルギー源
カルシウムの回収にもATP は必要
骨格筋と熱
Chapter10 守る
身体を守る免疫の力
古代ローマ時代から知られていた免疫
特異的防御機構と非特異的防御機構
消化管の「守り」
生まれたときから一緒の常在細菌叢
侵入してきた敵をたたく白血球
白血球の働き
ナチュラルキラー細胞とは
白血球と血小板の寿命
抗原ー抗体反応って、なんだ?
液性免疫と細胞性免疫
血液はどこで生まれるか
リンパ球の学校—胸腺
Bリンパ球の由来と成熟
抗体製造マシーン—形質細胞
抗体の基本構造
免疫反応の流れ
細胞がもつ「私」という刻印
白血病と免疫の関係
血液型が発見されるまで
輸血の失敗は、抗原—抗体反応によるもの
血液の抗体は最初から血液に含まれている
輸血に必要な交叉試験
Chapter11 子孫をつくる
性の違いが死を生んだ
遺伝にかかわるのは、生殖細胞だけ
ヒトの染色体は合計46本
精子の染色体が性差を決める
男子決定遺伝子—SRY 遺伝子とは
思春期に始まる生殖器の発育
生殖機能は、いつ、どのようにして目覚めるか?
男性生殖器の構造
精子と精液
女性生殖器の構造
受精のメカニズム
卵割から発生へ
生まれる前の世界
人生最大の危機—出生
胎児循環からの脱却は、命がけ
加齢と伴に起こる身体の変化と寿命
かぎりあるから人生は楽しい
Prologue
いざ、身体を探る旅へ
Chapter1 生命誕生の起源
生命は海から生まれた
Chapter2 細胞ってなんだ?
生物はすべて細胞からできている
ユニークな細胞
実は多機能、細胞膜
海水と体液の電解質濃度
受動輸送と能動輸送
通すものを「えり好み」する細胞膜
ナトリウム- カリウムポンプ
細胞はタンパク質の工場
設計図を保管するコントロールタワー—核
遺伝子に記録されたアミノ酸の配列
タンパク質の組み立て場—リボソーム
転写から翻訳、そして合成へ
タンパク質の配送センター—ゴルジ装置
細胞の発電所—ミトコンドリア
ATP
ゴミ処分場—リソソーム
Chapter3 流れる・運ぶ
多細胞生物が備えた物流システム
画期的だった血液循環説
ウィリアム・ハーヴェイの実験
心臓の位置と構造
心臓の刺激伝導系
心周期と心音
心臓は働きもの
心臓はどうやって自分を養う?
身体に張り巡らされた交通路
動脈と静脈
脚の血液はどうやって心臓に戻る?
血圧とは—最高血圧と最低血圧
血液は何でできている?
血液を流れる円盤状の物質—赤血球
酸素を運ぶのはヘモグロビン
ヘモグロビンには、酸素より好きなものがある
いざ、毛細血管の中へ
血圧と浸透圧のバランスによる水の移動
リンパ管
運搬以外の血液の役割
Chapter4 呼吸する
酸素を使わず、呼吸する?
ミトコンドリアの登場がすべてを変えた
空気の入り口—鼻
咽頭と喉頭
気管から肺へ
肺胞の壁
肺の構造
肺胞と血管の間のガス交換
血中で二酸化炭素はイオンとして存在する
呼吸のメカニズム
換気の仕組み
死腔量と肺胞換気量
呼吸のしかたでガス交換の効率も変わる
呼吸と筋肉・脳の深い関係
脳幹は呼吸をどうコントロールしているか
大脳半球による呼吸のコントロール
Chapter5 食べる
同化作用と異化作用
さまざまな細胞と使われている栄養素
分解力をアップする酵素の力
消化酵素による分解の仕組み
消化器系の概観
食物の流れ
口の中
咽頭から食道へ
胃の中
小腸の中
胆嚢
胆汁の成分と脂質を乳化する胆汁酸の働き
膵臓とオールマイティな消化酵素・膵液
消化に欠かせない消化管ホルモン
小腸から門脈、肝臓へ
肝小葉
肝臓がもつさまざまな機能
血糖値をコントロールする肝臓の働き
肝臓がつくる胆汁の成分
肝機能検査と酵素の関係
脂質の行方
大腸から肛門へ
Chapter6 捨てる
二酸化炭素の捨て場所—肺
不揮発性ゴミの代表—アンモニア
ゴミを分別する腎臓
腎臓の位置と血流量
腎臓の構造
ネフロンにおける尿の生成
血圧と尿量の関係
そのほかのゴミ処理業者
アシドーシスとアルカローシス
Chapter7 調節する
生命活動の基本—ホメオスタシス
受容器と効果器を結ぶ神経ネットワーク
交感神経と副交感神経
インパルスは神経系共通の言語
インパルスを起こすのは神経細胞の興奮
脱分極を引き起こす神経伝達物質
カリウムイオンの出入りはいつ、止まる?
シナプスでのバトンタッチ
新幹線より速い神経の伝達速度
長時間、持続的に働くホルモン
ホルモンは標的細胞を刺激する
受容体の多くは細胞膜にある
2つの原料からつくられるさまざまなホルモン
ホルモンの世界は、完全なタテ社
血糖値の調節
血圧の調節
体液を調節する腎臓の働き
体温を調節する
体温を維持するのは、酵素のため
重要なのは脳内温度
体温を調節するのは視床下部
1日の間にも体温リズムはある
Chapter8 感じる・考える
神経細胞の発見とニューロン説
脳を構成する神経細胞とグリア細胞
細胞が減っても、頭はよくなる?
神経細胞のかたち
感覚受容器はAD(アナログ—デジタル)変換器
感覚によって人は行動できる
感覚が伝わる仕組みは共通
末梢神経と中枢神経
末梢神経の分類法
視覚のメカニズムを知る—眼
水晶体の調節で結ばれる像
光と色の情報を神経の信号に変える網膜
脳の構造
聴覚のメカニズムを知る—耳
空気の振動を水の振動に—外耳、内耳、中耳
内耳にある感覚細胞
平衡覚のメカニズムを知る—半規管と前庭
嗅覚のメカニズムを知る—鼻
微細な粒子を感知する嗅毛
味覚のメカニズムを知る—味蕾
偉大なセンサー—皮膚
危険信号としての痛覚
投射の法則と関連痛
Chapter9 動く
動物だけがもつ「動く」という特徴
眼に「見える運動」と「見えない運動」
意思で動くのは、骨格筋だけ
骨格筋が可能にするさまざまな動き
骨の機能
二足歩行を可能にした脊椎の形成
筋肉と骨をつなぐ腱
骨と骨をつなぐ関節
骨格筋の動きを操る大脳皮質からの指令
運動神経が通る2つの経路
骨格筋の構造
縞模様をつくる2種類の線維
筋収縮の動きはトランプをきるイメージ
筋肉の収縮とカルシウムの関係
肘関節の屈伸運動
筋肉を動かすエネルギー源
カルシウムの回収にもATP は必要
骨格筋と熱
Chapter10 守る
身体を守る免疫の力
古代ローマ時代から知られていた免疫
特異的防御機構と非特異的防御機構
消化管の「守り」
生まれたときから一緒の常在細菌叢
侵入してきた敵をたたく白血球
白血球の働き
ナチュラルキラー細胞とは
白血球と血小板の寿命
抗原ー抗体反応って、なんだ?
液性免疫と細胞性免疫
血液はどこで生まれるか
リンパ球の学校—胸腺
Bリンパ球の由来と成熟
抗体製造マシーン—形質細胞
抗体の基本構造
免疫反応の流れ
細胞がもつ「私」という刻印
白血病と免疫の関係
血液型が発見されるまで
輸血の失敗は、抗原—抗体反応によるもの
血液の抗体は最初から血液に含まれている
輸血に必要な交叉試験
Chapter11 子孫をつくる
性の違いが死を生んだ
遺伝にかかわるのは、生殖細胞だけ
ヒトの染色体は合計46本
精子の染色体が性差を決める
男子決定遺伝子—SRY 遺伝子とは
思春期に始まる生殖器の発育
生殖機能は、いつ、どのようにして目覚めるか?
男性生殖器の構造
精子と精液
女性生殖器の構造
受精のメカニズム
卵割から発生へ
生まれる前の世界
人生最大の危機—出生
胎児循環からの脱却は、命がけ
加齢と伴に起こる身体の変化と寿命
かぎりあるから人生は楽しい
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序文・はじめに・あとがき 等
解剖生理とは、身体の構造と機能について学ぶ科目で、将来、看護師を含む医療者として従事する学生にとって必須の科目です。この科目は解剖学と生理学を合わせた科目ですから、確かに覚えることは膨大です。また、なぜ必要なのか、実際の看護にどう役立つのか、わからないまま勉強するので、なおさら難しく感じるのでしょう。一方、身体の構造と機能が正常であれば健康に過ごすこともできます。解剖生理の知識は、自分自身が健康な日常生活を送るためにも役に立ちますし、それが患者さんへよりよい看護を提供する基本になります。
「好きこそ物の上手なれ」という諺があるように、たとえ今はよくわからなくても、たのしく学んでいくうちに少しずつ理解が深まります。
身体の構造は必ず、その機能と結びついています。一つひとつの細胞や組織の形にはそれなりの理由があり、身体がうまく機能するよう、支え合っています。そういう意味で、身体はまるで1つの社会のようでもあり、壮大な宇宙のようでもあります。そのことを理解せずに、解剖生理を好きになれるはずはありません。
この本をとおして伝えたいのは、私たちは皆、膨大な歴史と進化の過程が創り上げた芸術品を抱えてこの世に存在している、という事実です。この地球に生命が誕生し、人類が進化したのはいくつもの偶然が重なって起きた奇跡なのです。いまだ人類のように高度な知的生命体は地球外では発見されていません。その驚きと発見をぜひ、みなさんにも実感してほしいのです。無理に覚えようとせず、感じてほしいのです。
私と一緒に身体を探る旅をしてくれるのは、看護学生のナスカさんです。ナスカさんは皆さんに負けないくらい、「解剖生理が大嫌い」な学生です。ですから、難しいことはできるだけわかりやすく、しかも、理解が深まるようにお話ししていきます。
さて、この旅が終わる頃、ナスカさんはどれくらい、解剖生理を好きになってくれるでしょうか?
2025年11月
SBC 東京医療大学健康科学部医学教育センター教授
増田 敦子
「好きこそ物の上手なれ」という諺があるように、たとえ今はよくわからなくても、たのしく学んでいくうちに少しずつ理解が深まります。
身体の構造は必ず、その機能と結びついています。一つひとつの細胞や組織の形にはそれなりの理由があり、身体がうまく機能するよう、支え合っています。そういう意味で、身体はまるで1つの社会のようでもあり、壮大な宇宙のようでもあります。そのことを理解せずに、解剖生理を好きになれるはずはありません。
この本をとおして伝えたいのは、私たちは皆、膨大な歴史と進化の過程が創り上げた芸術品を抱えてこの世に存在している、という事実です。この地球に生命が誕生し、人類が進化したのはいくつもの偶然が重なって起きた奇跡なのです。いまだ人類のように高度な知的生命体は地球外では発見されていません。その驚きと発見をぜひ、みなさんにも実感してほしいのです。無理に覚えようとせず、感じてほしいのです。
私と一緒に身体を探る旅をしてくれるのは、看護学生のナスカさんです。ナスカさんは皆さんに負けないくらい、「解剖生理が大嫌い」な学生です。ですから、難しいことはできるだけわかりやすく、しかも、理解が深まるようにお話ししていきます。
さて、この旅が終わる頃、ナスカさんはどれくらい、解剖生理を好きになってくれるでしょうか?
2025年11月
SBC 東京医療大学健康科学部医学教育センター教授
増田 敦子
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